アップさせよう!
世界各国で、子どもたちのために行われているからには、きちんと理由があるよ。
さぐってみよう!
みんな、ウォーキングバスって知ってる?
これは、見えないバスのこと。
とってもユニークな通学の方法なんだ。
運転手さん役が列の前、車しょうさん役が一番後ろにいる。
子どもたちはその間に1?2列にならんで、まるでバスに乗っているように、歩いて学校まで行くんだ。
みんなで歩いて行くことで、安全に登校でき、さらに、おしゃべりしたり歩くことが楽しくなったり、友だちができたりするんだよ。
この方法は、1998年にイギリスで始まったんだ。
歩く人が多くなると通学路が安全になるということがわかってきて、子どもたちの安全の活動としてイギリス中、そして世界中に広がったんだ。
ウォーキングバスの様子をびーぜんに見せてもらおう。
見えないバスだけど、、、見えるかな?
よーく、見てね!!
これがウォーキングバスだ!
ウォーキングバスは、イギリスで子どもたちを歩いて通学させるために開発されたもの。
お父さんやお母さんと、子どもたちのカバンをのせる「ワゴン」もいっしょに歩く。バスは毎日同じルートを通り、見えないバス停(てい)で、バスのお客さん=子どもたちが“乗車”する。
ウォーキングバスは、最初は3家族5人で始まった活動。
すぐに、このアイディアがすばらしい!とみんなが気づき、多くのちいきに広がったよ。
それまで、イギリスの小学校では、毎日子どもの親がつきそって学校まで送るのがふつうだった。自動車やオートバイで送迎(げい)する親たちもたくさんいた。
そこで次のような問題が発生。
それは、、、
1.はい気ガスで学校の周りの空気がよごれる
2.歩かないので、子どもたちが肥満に
3.いつも歩いている人が少なくて、キケンなまちになった
など
そこで、これらをかいけつできるのがこのウォーキングバス。
子どもたちが、毎朝おとなといっしょに歩くことで、歩行者がふえて、まちへの関心も高まるんだよ。
さらに、ウォーキングバスでは、子どもたちやおとながいっしょに歩くから、みんなで助け合ったり、友だちになったりすることもできるんだ。
世界中でウォーキングバスが行われているのは、以下のようなメリットをみんなが感じることができるから。
1.犯罪(はんざい)被(ひ)害をふせげるよ
誘拐(ゆうかい)や性犯罪(せいはんざい)の被(ひ)害をふせぐことができる。
2.交通事故(こ)をふせぐ
たくさんの子どもたちが固まって歩くので、車のドライバーから見えやすいので交通事故の被(ひ)害をとってもへらせる。
3.学校周囲(しゅうい)の環境(かんきょう)悪化をストップ!
外国に多い、自家用車での送迎(げい)のはい気ガスによる環(かん)境悪化を減らせてクリーン。
4.子どもの健康向上
歩くと運動になるし、肥満(ひまん)防止にもなるね。
5.コミュニケーション能力(のうりょく)アップ ちがう学年の子たちや、お父さん・お母さんたち、ちいきの人たちとの会話を楽しみながら登校するので、知り合いや友だちがおおぜいできたり、ちいきが大好きになるんだ。
もう「メリット」しかないね!
では、イギリスのウォーキングバスの様子をびーあん、びーぜんに見せてもらおう。
イギリスとアメリカのようす
ウォーキングバスレポート【イギリス】
イギリスでは、子どもたちとおとなたちがいっしょに、特別なベストを着て歩く。
このベストはね、とっても明るい色で、道を歩いているようすが、よく見えるようにしているんだよ。
それから、子どもたちの重いカバンは、おとなが引くカートに入れて、手ぶらで歩けるようにしている。
これで、子どもたちは歩くことに集中できるし、友だちやおとなとのおしゃべりも楽しめるんだよ。
通学路のいろんな所に「ウォーキングバス停留所(ていりゅうじょ)」があるエリアでは、そこまでお父さん・お母さんが子どもといっしょに歩いてきて、見えないバスに乗せて見送りしたりするよ。停留所ごとに、お客さんがふえていく感じ、楽しそうだね。
ウォーキングバス事例レポート【アメリカ】
アメリカの通学は、えい画などでもおなじみの「黄色いスクールバス」が一般(ぱん)的だったけれど、最近では、子どもたちがおとなといっしょに、みんなでお話しながら、学校まで歩いて行くことが、ふえているんだって。
WALK BIKE&ROLL TO SCHOOLという、全米で取り組まれるプログラムだ。
歩くことのメリットとして、子どもたちの足こしが強くなること、友だちや近所の人となかよくなること、いじめや不登校、引きこもりをへらしたりする効(こう)果があると言われ、安全で健康的な通学方法として、たくさんの子どもたちや学校、ちいきが取り組んでいるよ。
そのようすを見てみよう。
日本のウォーキングバスのようす
日本でも、2008年からウォーキングバスの取り組みが始まっている。
ちいきのおとなたちが、毎回いっしょに歩いてくれて、安全に気を配ってくれるのはもちろん、楽しく会話したり、手をつないでくれたりもする。
特にすごいのは、6年生が大切な役割(わり)を持っていることなんだ。
6年生たちは、リーダーシップを取って、おとなたちと同じジャンパーを着て、ウォーキングバスの運転手さんや車しょうさんとして、下級生たちの安全に注意しているんだよ。
こんなかっこいい6年生のすがたを見た下級生たちが、自分も高学年になったらウォーキングバスの運転手さんをやろう、とあこがれたりもしている。
それで、ウォーキングバスはずっとずっと運行されているよ。
日本でもウォーキングバスを行っているちいきがあるよ。
そのようすを見てみよう。
歩くことを楽しみながら登校する、そんなアイデアはこれまで考えたことがなかったという人が多いかも。
でも、世界中で行われていることからわかるように、きっとあなたも、あなたの友だちたちも楽しめるはずだ。
大切なのは、まず学校やちいきのみんなにウォーキングバスのことをわかってもらい、協力を得ること。
さあ、安全で楽しいウォーキングバスを始める方法をいっしょに見ていこうね!
ウォーキングバスは、まずはやってみることが大切。
初めから大きな活動にせず、まずはできるところから始めて、だんだんに大きくしていくことがおすすめだよ。
住んでいるエリアや学校によって、登校方法はいくつか種類があるけれど、ここでは、それぞれの子どもが自由に、各自バラバラで通学しているスタイルの小学校の、登校時のウォーキングバスを想定してみよう。
いよいよ、ウォーキングバスのはじまりだ!!
そのファースト・ステップをびーあんが見せるよ。
なんと世界初!?
ウォーキングバスのまんがだよ?
ウォーキングバス はじめの一歩
ここからは、具体的なプランとそのじゅんびの方法だよ。
ウォーキングバスの計画をたてよう。
まずはちいきや学校のスケジュールに合わせて、おためし運行からスタートして、うまくいったら毎月1回とか、毎週1回など、決まった日に行うことにする。
安全な集合場所(始発)と学校へのルート(路線)を決めて、その場所と時間を学校、友だち、おうちの人、ちいきの人、などに伝えよう。
そして、もしもの時のための約束もしておこう。
それから、運転手さんと車しょうさんをやってくれるボランティアをぼ集して、みんなで楽しく、安全に学校まで歩けるようにしよう。
じゅんびが大変そうだね。
びーあんに、わかりやすいまんがで見せてもらうよ。
だけど、そこでおじけづいてはいけないっ!
しっかりじゅんびして、いよいよ出発よ!
オール・セット!出発進行!
ウォーキングバスをけい続的に行うと、みんなが安全に学校に行けるのはもちろんのこと、ちがう学年の子やちいきの人と、もっと仲良くなれるよ。
どうすれば長く続けられるか、たくさんの子が参加してくれるかなど、毎回乗車する(リピーター客)の子たちの感想や意見を聞いたり、話し合ったりすれば、あなたのウォーキングバスはどんどん良くなって、ちいきになくてはならないものになるよ。
こどもの安全のため、って思いながら参加していたおとなが、何回もウォーキングバスに乗ると、子どもたちとおしゃべりしたりするのが楽しくて、ウォーキングバスの日が待ち遠しくなったりするんだって。
みんなが「楽しい」って思えたら、きっとずっと続けていけるね。
そのためにどんなことができるかな?アイディアどんどん出してみよう!
続けることが大事なの。
楽しく続けるイベントプラン
日本でウォーキングバスを行っているちいきが、これまでに行った例だよ。参考にしてね。
おまわりさんウォーキングバス
おまわりさんウォーキングバス。交番やけい察に相談して、おまわりさんといっしょにウォーキングバスができると、「最強バス」になるね。
おまわりさんたちも、子どもたちや、安全活動をしているちいきの人と、仲良くなりたいと思っているんだって。ウォーキングバスは最高にいいチャンスだね。
ウォーキングバスの前日PR
ウォーキングバスの前の日、登校してくる子どもたちに、6年生の運転手さんたちがチラシを配ってアピール。前の日にさそわれたらわすれないし、乗ってみようかな、って気持ちになる子が多いかも。いいアイディアだね!
シーズンウォーキングバス
ご近所さんウォーキングバス(防災訓練)
ウォーキングバス写真展(てん)
さあ、あなたはどんなアイディアがある?いろいろ考えて、楽しい活動にしよう!
私立(しりつ)小学校や特認(にん)校のように、校区外から通学する子どもたちが多い学校でも、ウォーキングバスはできるかもしれない。なぜなら、ほぼ全員がスクールバスで登校するアメリカなど外国の小学校でも、ウォーキングバスを行っているから。
ウォーキングバスは、歩くことを楽しみながら友だちやちいきの人と歩く、という活動なので、歩く区間が少しあるならできるかもしれない。
ただし、歩道がせまかったり、人通りが多いと、ウォーキングバスのようにまとまって歩いていると、他の人のじゃまになることも。
また、学校の前までバスや車で送りむかえされている場合は、歩く区間がないので、ウォーキングバスはできない。
だけど、、、
登下校の時にできない学校は、遠足やイベントなど、多くの人と歩く機会がある時にやってみよう。
大切なことは、ウォーキングバスの目的、「歩くことを楽しむ」ことをわすれないこと。
ウォーキングバスは、工夫次第でいろいろ形を変えることができるはず。
だって「見えないバス」だもん、どんなスタイルにもできるよね!
新しいアイディアを出して、いろんなウォーキングバスを走らせてみよう!
ウォーキングバスについて、わかったかな?
自分でもできるような気がしてきた?
まだちょっと不安?
「問題を起こした時の考え方で、その問題を解(かい)決できない」って、すごくかしこいアインシュタインさんが言っていたんだ。
これって、子どもたちの安全やちいきの安全を守るって話にも当てはまるんだよ。「いつも通り」じゃなくて、新しいアイデアを思いついて、もっと安全な方法を見つけようってこと。そしてね、それには子どもたちの力がめちゃくちゃ大事なんだ。みんなで力を合わせて、楽しみながら安全なちいきを作っていこうね。
子どもたちが積極的に参加することで、みんなのために安全でかいてきな場所を作れるんだ。大人といっしょに協力して、安全を大切にしながら、色んな問題を解(かい)決したり、もっと楽しいことを見つけたりしよう。
では、みんなどんな役割ができるか、レベルに分けて説明するね。
マスターランクと役割(わり)
ブルー【BLUE】ランク
おおよそ小学校4~5年生のみんなへ
あなたのミッションは、ウォーキングバスを始める前、カンバンやバナーを用意すること。手書きで書いても、パソコンで作ってもどちらでもいいよ。ラミネートするとか、とう明のふくろに入れて、雨や雪の対策をしよう。重いと持って歩くのが大変、なるべく軽めに作ってね。
1.一緒(いっしょ)に歩く仲間として
みんなで一緒に歩いて、楽しく安全に学校に行きましょう。おおぜいの人が一緒に歩くから安全なので、歩くことに集中してみよう。いつもと違(ちが)う気持ちで登校できるかも。
2.自分たちの声を出すこと
みんなが「こうしたらもっと良くなるかも!」と思うことを教えてね。みんなの意見は、プログラムをもっと良くするのにとても大切だよ。
REDレッドランク(6年生)
あなたのミッションは、ウォーキングバスの紙しばい作りだよ。ウォーキングバスがどんなものか、どんなふうに集まり、どんなふうに乗るのか、どんな会話をたのしむのか、など、このWEB教材で学んだことを元に、1〜2年生にもわかるような説明ができるように、紙しばいにしてね。休み時間にホールなどで発表してもいいし、学校の許可(きょか)がもらえたら、学校放送や集会で発表すると大ぜいにみてもらえるね。
SILVERシルバーランク(中学生)
あなたのミッションは、小学生やちいきの人々に、ウォーキングバスのことを、このWEB教材を使って教えること。
[ちいき安全マスター1.0]ブルー&レッドランク以外の子どもたちは、ウォーキングバスのことを知らないかもしれない。おとなたちも、このWEB教材を見ていない人々には、初耳かもしれない。だから、あなたはウォーキングバスのことをわかりやすく知らせてほしい。このWEB教材のこのチャプター6のことを、教えてあげてほしい。
GOLDゴールドランク(高校生)
あなたのミッションは、ブルー・レッド・シルバー、全ランクのサポート。何かこまっていたり、助けを求められたらサポートしてあげるのはもちろんだけれど、他のランクのマスターたちが、「ウォーキングバスやろう」ってなかなか言い出さなかったり、あきらめていそうなら、実現(げん)の可能性(かのうせい)をいっしょに考えてあげて。今すぐできなくても、来月、来学期、来年、といつか、できるかもしれない。大事なのは、みんながウォーキングバスを知ること、そしてその効(こう)果がわかること。そこをサポートしてほしい。
ウォーキングバスがいよいよ走り出すことが決まった時はもちろん、ウォーキングバスをやりたいな、仲間を集めたいな、と思った時も、新聞やラジオ、テレビなどのメディアでほう道してもらえると、大きく広がる。子どもたちが、自分たちとちいきのために安全活動をしている、ということも広く伝えられたら、ますます安全になる。ぜひ、記者さんたちに協力してもらおう。
この時、何月何日、だれだれが、こんなこと考えてます、こんなことしますよ、というメディアへの案内が「プレスリリース」だよ。
ウォーキングバスだけじゃなく、新しい活動やイベントなどのお知らせの時も使えるワザ。
書き方を覚えておこう!
新聞記者さんが、「取材したくなるプレスリリース」について、びーぜんにコツを教えてくれたよ!
プレスリリースのワザ
新聞やテレビに「こんなおもしろいことをするので、ぜひ取材してね」というお知らせのことを、プレスリリースといいます。「こどもが安全活動をする」ということを広くほう道してもらえると、より多くの人々があなたの活動について知り、地域が安全な環境(かんきょう)へと変わることが期待できます。ただし、顔や名前というプライバシーが知れわたることもあるので、プレスリリースを出すかどうかについては、先生やちいきのおとなたちとよく話し合ってから決めてね。
【必ず書く7つ】
1.文書の名前:この文書が「プレスリリース」であることを大せん言!受け取った人が内ようをすぐに理かいできます。
2.みだし:記者の注意を引くよ。「はい、注目して!」という感じで、魅力的なみだしを考えよう。少し大きめに書いてね。
3.サブタイトル:みだしをさらにもり上げるのがサブタイトル。記者さんをしげきする一文を考えよう。
4.本文:「このイベントはこんなものですよ。」、「すごくめずらしいよ。」、「子どもたちが企(き)画しているよ。」、「子どもとおとなが協力してやっているよ。」、「この辺ではだれもやっていないよ。」、「他の人にも教えたいから、ぜひ伝えてくださーい。」、というアツい思いを入れます。なぜこのイベントが重要なのか、をかん単に入れることも大事です。
5.内容(よう):ここは超(ちょう)重要! 日時、イベントの名前、集合場所、目的、参加者、これらの大事なことを必ず書きます。
もし、まだ決まってないことがあれば、「決定したら教えるので、連らくしてください。」と書いてもOK。
6.主催(さい):実行する人がだれかを書きます。
7.連らく先:このプレスリリースに関して、しつ問や取材について連らくする人を書きます。いっしょに活動するおとなをたん当者にしましょう。その人には、このプレスリリースをあらかじめわたすことを、わすれないでください。
プレスリリースは、ほう道各社へ直せつ送るか、記者クラブ(市役所やけい察)があればそこへ送ります。電子メールやオンラインのプレスリリースができる場合もあります。住んでいるちいきや送り先によりことなりますので、大人にかくにんしましょう。
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