特定非営利法人エクスプローラー北海道
大人の方々のためのコンテンツ
子供たちが地域の安全に貢献する熱意は、大人の優しい手助けから生まれます。安心してチャレンジできる環境作りに貢献してくださることに感謝します。このWEB教材は、子どもたちが安全に対する意識を深め、地域防犯の担い手[ちいき安全マスター2.0]として、その大切な役割を果たしていけることを願い制作しました。
このチャプターでは、大人の皆様へ向けて、子供たちを支えるためのヒントや心得をご紹介します。共に安全なまちづくりを目指しましょう。

子どもたちのチャレンジをサポート

子どもたちが地域の安全を学び、守るためには、地域安全マップづくりの経験が基盤となります。これを[ちいき安全マスター1.0]として位置付け、本教材では、この経験をスタート地点としています。正しい方法で地域安全マップづくりをすることが、学びの効率性と子どもたちの自信を高めるカギです。一方で、地域安全マップづくりの経験がない、あるいは誤った方法で取り組んでしまった子どもたちがいます。
まずは、本教材に取り組まれる子どもが以下のどちらかに当てはまらないか、確認してください。

◯ 地域安全マップづくり未経験

◯ 誤った認識で地域安全マップづくりを進めた/指導者の認識に誤りがあった

この確認については、本教材チャプター1に詳しくありますので、参照してください。
もし、このどちらかに該当する場合は、正しい[地域安全マップ]づくりが必要です。
地域安全マップづくりは、主に小学4年生以上の総合学習や社会科の一環として推奨されていますが、早期から地域の安全に関心を持つ子どもたちもいます。そうした場合、保護者や地域の大人、学生が地域安全マップ指導者となり、子どもたちへの指導を行うことが望ましいです。
どこが安全?どこが危険?地域安全マップ指導者養成プログラム]では、実践的な教材や資料を提供しており、効果的な指導が可能です。
このアプローチは、地域の安全を長期的に守る力を子どもたちに育てる最適な方法です。さらに、子どもたち一人一人が、いつでもどこでも安全に生き抜く力を身につけることができます。
また、地域安全マップづくりは、一度行ったからといって終わりではありません。何度も行うことでしっかりと身につく防犯力です。そのため、地域における「地域安全マップ指導者」の存在は非常に価値があり、あなたの地域の安全に大きく貢献する推進力となります。ぜひ、指導者養成プログラムをご利用ください。

例えば地域安全マップは、正しく作られなければ逆効果になってしまうこともあります。
そうならないためにもおとなも一緒に学び、子どもたちのサポートをしていく必要があります。

心得ておきたいポイント

大人がまず行うべきは、子どもたちが安全に全ての活動を行うための基本的な理論の理解が必要です。これには、どのような場所が犯罪に遭いやすい「キケンな場所」で、どの場所が「安全な場所」であるかを見極めるための【犯罪抑止の三要素】の知識が含まれます。
大人がこの理論をしっかり把握し、それを子どもたちに適切に伝えることが、子どもたちが、地域の安全のために、危険を回避しつつ積極的に貢献する第一歩となります。子ども用にわかりやすく改変したものはこちらからご覧ください。それぞれの要素の具体例も紹介しています。

はんざいに強い3ポイント(略してH•T•3)

[地域安全マスター2.0]を目指す子どもたちへのサポートのポイントは、子どもたちが主体でありながら、常にサポートを惜しまず、寄り添って温かな支援と視線を向けることです。具体的には以下のようなサポートが考えられます。

1.体験を通じた学習の奨励

体験を通じた学習や地域との連携強化は、子どもたちに自らの行動が地域社会に影響を与えることを理解させ、自立心と責任感を養います。地域安全マップの作成や地域防犯活動への参加は、子どもたちが自分たちの安全は自分たちで守るという意識を持つ第一歩となります。これには、大人が正しい地域安全マップづくりを教え、サポートすることが含まれます。さらに、この後の発展的活動について、多くの事例(まんが)を参考に、子どもたちと一緒に考えてみましょう。<チャプター5・ちいき安全マップをもっと活用しよう!>

2.地域との連携強化

地域の人々や機関との協力を通じて、子どもたちは多様な人々と関わり、信頼関係を築く機会を得ます。これは、子どもたちが社会性を高め、地域社会の一員としての絆を深める助けとなります。大人が子どもたちの行動をサポートし、子どもたちが地域安全と発展の主役に成長する土壌を育む。具体的には、地域の防犯パトロールに子どもたちが参加する、地域の安全に関する会議やイベントに子どもたちを積極的に参加させるなどの実践例があります。

3.理論と実践の組み合わせ

理論と実践を組み合わせた活動は、子どもたちに実生活で直面する問題を解決するためのスキルを提供します。例えば、地域安全マップを作成する過程で、子どもたちは地域の安全上の問題を特定し、それに対する実践的な解決策を考え出します。これは、将来的に彼らがさまざまな課題に直面した時に役立つ重要な能力です。

このWeb教材では、あくまでも主役は子どもです。しかしそっと見守るおとなと、そのおとなが一緒に行うことが重要なのです。そこには、おとなと子ども双方にメリットがたくさんあります。さらにそうなるための「おとなのノウハウ」が必要です地域の明るい未来のために、ぜひ学んでください。

最後に、サポーターとして大人にぜひ、ご自身のこととして取り組んでいただきたいアクションは以下の通りです。

モデルとなる行動

安全なまちづくりに積極的に参加し、子どもたちに良い手本を示す。防犯ボランティア活動などはもちろん、日々の交通ルールを守る、地域活動に参加する、ということも非常に大切です。子どもたちは大人の行動を見ています。

ポジティブなフィードバック

子どもたちの取り組みを認め、彼らの自信を育む。「やってあげる」ではなく、「共に行う」という姿勢で子どもたちに接しましょう。子どもたちのがんばりには、「えらいね」ではなく、「すごいね」と同等の目線、立ち位置でポジティブワードをお声かけください。子供も大人も、双方共に前向きな気持ちで防犯に取り組めます。

「場所」を見極める

犯罪機会論に基づき、私たちは人ではなく『場所』に着目することで、誰も排除せず、コミュニティ全体の安全を高める防犯策を実施します。場所に注目することで、犯罪を未然に防ぎ、全ての地域住民が安心して生活できる環境を作ることが可能です。

あなたのサポートが、子どもたちの、安全な地域社会の構築に向けての能動的かつ責任感を持って取り組むための基盤となります。

教材を通じて学び、行動を起こし、大人や他の子供達と協力し合うことで「ちいき安全マスター2.0」として認定される子どもたちは、学んだことを誇りとし、より安全なまちづくりや人との絆に高い関心を持つようになるでしょう。他者のために尽力する子どもたちが育つ地域は、誰もが安心して暮らせるまちです。
この大切な取り組みにおいて、子どもたちだけではなく、彼らを取り巻く大人たちも共に学び、成長することが重要です。安全な地域社会の構築には、世代を超えた協力と理解が必要不可欠です。この教材の活用が、そんな貴重な機会の一つとなり、子どもたちの学びと成長をサポートし、導いてくださいますよう、お願い申し上げます。